新4年生向け 大野研究室紹介

研究室見学に向けた、大野研の紹介をします。

 大野研は2021年4月から新しくできた研究室で、原子力材料・核融合材料を中心に、高温・腐食・中性子照射に晒される過酷な環境で長持ちする材料の研究を行っています。

 2022年度は修士1年目の学生が1名、4年生が4名居ましたが、4年生の1名は留学生のため母国へ帰国、1名は就職、2名は他大学の大学院に進学しました。そのため、2023年度は修士2年目の学生が1名在籍予定です。

 こじんまりとした研究室ですが、他大学との共同研究をたくさん行っています。次年度は東工大・東北大・NIFS・東京都立大&高知工科大・山梨大との共同研究が決まっていますので、これらの大学の学生さんや先生方とディスカッションをする機会が多くなるでしょう。

R5年度の研究資金で、現在決まっているのは科研費(基盤B)・寄付金(日立金属財団)・運営交付金です。研究テーマは以下のものを予定しています。

☆ODS合金の液体金属脆化機構
 科研費基盤(B)、東工大・東北大との共同研究です。核融合炉の液体金属ブランケットや鉛冷却高速炉の候補として検討しているFeCrAl系合金・FeCrAl-ODS合金の液体金属脆化機構の研究を行います。この研究は引張試験機の整備と試験片の試作から始まるでしょう。

☆FeCrAlX4元系のODS合金開発
 プロテリアル材料科学財団(旧:日立金属・材料科学財団)の寄付金による研究です。軽水炉の事故耐性燃料被覆管として開発されたFeCrAl-ODS合金は、室温から融点までフェライト系のため、ODS合金としては加工性が課題となっています。この研究ではFeCrAl-ODS合金の構造材としての適用の幅を広げるべく、FeCrAl合金に第4元素を添加した新たな材料の開発を行います。

☆FeCrAl-ODSの接合技術開発(やり方が異なるもので2名)
 一部、NIFSとの共同研究です。液体金属ブランケットの配管の腐食を抑制するためには、FeCrAl合金を適用するのが最適ですが、誘導放射能の問題から、Alは核融合炉では避けたい元素です。また、FeCrAlはフェライト系の合金であるため、高温で使用するには析出・分散強化が必要ですが、溶解法で作製できる合金に比べて膨大な製造コストがかかります。
 2022年度は薄いFeCrAl合金を市販のオーステナイト材に内張する技術を開発し、現在特許申請中です。この研究では2022年度の続きの研究をしつつ、新たに内張する方法を模索します。

☆ハイエントロピー超伝導体の照射効果
 都立大・高知工科大および山梨大との共同研究です。ハイエントロピー合金は原子力材料分野でもホットな話題ですが、ハイエントロピーを化合物に適用しても、耐照射特性が向上するか??という疑問を解明していきます。大野の研究室では照射実験とその後の微細組織解析を担当しています。現在、修士2年目の学生が行っているので、その研究を引き継ぎできる学生さんを募集します。